ローカルスクール(こちらではガバメント・スクールと呼ばれています。)に通っている息子は、やたら学校へ行かない日が多いのです。
実際は学校が休みなのではなく、家庭で学習をする事になっているのです。
最近では10月上旬に6年生が受けた将来を左右する卒業テスト(こちらではPSLE (Primary School Leaving Examination)と言います。)の採点に全校の先生方が従事するために、他の学年の生徒は家庭で学習をします。 それも4日間。
先生方は採点には細心の注意を払わなくてはいけないので、全教員で4日間の採点集中期間が必要なのでしょう。 なにせ、シンガポールの多くの小学生が毎日夜遅くまで勉強するのは、このテストの結果を最優にし、成績の良いSecondary Schoolに入学する為と聞いているので、もし採点ミスをしてしまったら親からの苦情や抗議は想像を絶する物があります。
先生も時間をかけて確認しながら採点をしなくてはいけないのでしょう(想像ですが)。
ではこの4日間、どうやって息子は家庭学習を全うするのか。
その方法はe-learning exercise。
Marshall Cavendish (シンガポールの大手教育書籍出版社)が提供するMarshall Cavendish Online(http://www.lead.com.sg/)にアクセスし、Login ID、 School ID、そして Passwordを入力すると、テスト形式の学習が教科担当の先生から投稿されています。
その問題を解き、問題を解き終われば、随時提出しなくてはいけないのですが、問題を解かない限り、学習したという履歴が残ら無いので、子供達はきちんと最後まで終わらせる必要があります。
そうでないと学校側は学習したとはみなしてくれません。 これも、成績の一部に加算減算されます。
成績順にクラス分けがなされるシンガポールの小学校では、子供達の成績が翌年のクラス分けに影響を与えるのです。
成績の上のクラスに入れば、先生も先に進んで教える事が出来るし、応用問題にも入ることが出来るのですが、成績の悪いクラスに入ると、子供の理解レベルに合わせた教育内容で教えられる為(悪く言えば、先生によっては真剣に教えない。)学習に遅れが生じてしまいます。学力に差が開く一方です。
成績の一番下のクラスと成績の一番上のクラスでは、例えばテスト結果で、前者が5~10%の正解率者が結構いて、後者は80%以上の正解率者が多数を占め、クラス間に学力差が生じていると息子の日々の話から想像できます。
投稿されている問題数は、1教科につき約30シート。 1シートに15の問題。
イングリッシュ、サイエンス、そしてマス。
4日間に1教科450問は私にとっては多いような気がしてしまうのですが、、。
さて、このe-Learning SystemはMarshall Cavendish onlineで提供されていて、シンガポールでは120の学校、20万人の学生に利用されているそうです。
以前は中学生のみを対象にした教育方法だったようですが、今では小学生もこの方法で教育される対象となっています。
内容も探究学習を目的としたもので、個人指導、経験学習をイメージしたアクティビティー、そして小テストを含んだものになっているようです。
Google appsのコンテンツも含んでいるので、先生とのコミュニケーションは解いた問題への採点やコメントもGoogle appsを通じて行われています。
学習内容も、シンガポールの小学校のテストと同期化されたカリキュラムとなっているので、先生や子供達も扱いやすいようです。
ITを駆使した教育方法なので親の出番は必要ないのでは、と思うのですが実際は子供に勉強を強いらなければいけないのが現実です。
byお父さん